太宰治とルノワールの『Lise』
2025年 11月 13日
私は、せがれの画がしくじっても、この娘さんをしくじらせたくないと思いました。私だって、知っていますよ。あの娘さんじゃ、画になりません。でも、せがれには、またこの次という事もあります。画かきだって何だって、一生、気永な仕事ですから(太宰治『リイズ』より)

今夏エッセンの美術館で観たルノワールの『日傘をさすリーズ』。この絵をテーマにした太宰治の作品があったとは知らなかった。少し前に津島佑子著『アニの夢 私のイノチ』を読んだ流れでたまたま見つけたのですが、ラジオ放送用の小篇なんですね。1940年初出。
冒頭はルノワールを目指す息子について母親が語る場面。彼女は息子の絵のモデルを探しに周旋屋へ行ったものの、そこで目に留まった上京したばかりの貧しい娘を案じ女中として雇い入れる。太宰の私生活に目を向ければ、作者の胸の内を語らせているのではないかと思える母親の言葉で、家族にはこんな風に長い目で見て欲しかったのかなと。
太宰が注目した『日傘をさすリーズ』は、崖っぷちだったルノワールが念願のサロン入選を果たした作品。「白をぶちまけられた太めの女性(ジョン・リウォルド著『印象派の歴史』より)」という、ジャーナリズムによる辛辣な批評もあったようですが、ぽっちゃりとしたリーズは画家に寄り添うミューズのような存在。転機を迎えた画家と恋人の運命に小説家としての軌跡と行く末を重ねていたのでしょうか。

もうすぐアドヴェント。プレゼントを買う人で街が混雑しないうちにと贈り物を買いに行くも、探していた品は見つからず。三軒回ったところで諦めてオンラインショップで購入。不動産価格高騰の煽りで商店街が寂れたりデパートがなくなっても不便なので、実店舗の方でなるべく買いたいとは思うけれど、品揃えという壁が。
クリスマスマーケットの方は今月半ばから屋台が出始める都市もあり、気候だけでなく行事の方も季節感が薄れてきている感じ。そのうち宗教的なイベントではなくなって単に冬のマーケットになってしまうんじゃないかと危惧している人たちもいるようです。一枚目の写真はクリスマスマーケットで買ったエルツゲビルクのエンジェル。不思議な格好にしばらく笑いが止まらず衝動買い(笑)
