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グリム童話『いばら姫』と河合隼雄『昔話の深層』

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 皇帝の広間で見つけた『Dornröschen(ドルンレースヒェン、いばら姫)』の壁画。ゴスラーのカイザープファルツ(皇帝の城)にて。私が子供の頃に読んだのはどちらのお話なんだろう。もう細かい部分が思い出せないので、グリム兄弟『Dornröschen』と青空文庫のペロー『眠る森のお姫さま/ 楠山正雄訳』を手に取ってみた。百年の眠りではないけれど、私の中でも長い眠りから覚めたメルヘンとなり、今回偶然にも再びルイーゼ王妃を巡る旅になってしまった。


 どちらも物語の骨子は同じで、違いといえば予言する蛙の存在、祝宴に招いた賢者の数、王と王妃の眠りなど。今回読んだものはどちらもハッピーエンドだけれども、ペローのお話にはまだ続きがあるようでそちらも読んでみたかった。読み終わってブログを書き始めたら、以前買った積読状態の河合隼雄著『昔話の深層 ユング心理学とグリム童話』をふと思い出し、本棚を探すと本書にも『いばら姫』が♪「時計にこだわる人は、重大なカイロスを見失ってしまう」という河合氏の言葉が心に響く。招かれなかった13番目の賢者の呪いについては「キリスト教文化と母性的なものの対立」という観点から考察されている。



 悪によってひとつの存在が完結するという点を、この昔話の背景となっているキリスト教思想と関係づけることを、フォン・フランツは試みている。キリスト教は父性原理を強調する宗教である。(中略)父性原理に基づく宗教は神との契約を守るものと守らないものに区別し、前者の救済を約束するが、後者は異教徒として排斥する。(中略)このような文化においては、天─父─精神という結合に対して、土─母─肉体という結合が存在し、後者はしばしば、悪と同一視される傾向を持つ (河合隼雄著『昔話の深層 ユング心理学とグリム童話』より)



 大人と子供の境の不安定な時期に茨に守られて眠るお姫様、そして機を見るに敏な王子の登場。15歳というと中学校での立志式を思い出します。あの時ご住職が「人生はゴーゴーゴー!朝は5時55分に起床!眠ってばかりいたらバカになる!」と話されて、周りの友達の肩が震えていて。あの頃は午後の授業でよく居眠りしていた子がいたけれど(特に男子)、成長期というのはやっぱり眠かった。カイザープファルツについては少し書き留めておきたいことがあるので、広間にぐるっと描かれた壁画の趣旨についても改めてその時に。





ブログテーマ:読書の秋
by hofmizuki | 2025-12-06 08:49 | 河合隼雄

芸術作品と旅のメモ。旅先で撮った写真を添えて記録していきます。


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